【書評】テンバガーを探せ!10倍儲かる低位株投資術
今回は初投稿の書評シリーズを書いていきます。
このシリーズは自分用のメモがメインかなと思いますので、主に本の要約となっております。
現実的にテンバガー株を探すのはかなり難易度が高く、運が必要だが、PBRの使い方や上がりそうな株のファンダメンタルズ分析のやり方等が書いてあったので参考になりました。
『テンバガーを探せ~10倍儲かる低位株投資術~』 著 鮎川 健
『なぜ「低PBR株」なのか?』
◎私が「低PBR」に拘るワケ
・1株純資産額=企業の純資産額/発行済株式数
・PBR=株価/1株純資産額 →1.0倍を下回ったら割安。(低ければ低い程割安)
・1株純資産額は、仮に企業が廃業し会社清算を行った場合、全ての保有資産を売却
し、全ての負債を返済した後の、最後の最後に株主へ分配される金額とされ、別名
「会社解散価値」とも称される。
◎有事の「PBR」
・株価下落の最後の最後、支えの砦となるのは経営状況ではなく、企業全体の金銭的
現価を表す「1株純資産」であり、いつの世も信じられるのは「PBR」
『株価爆発低位株の選び方』
◎銘柄の長所を見つめよ
・株式投資において必要なのは「必要“最低限”の知識」
◎「株価爆発低位株」投資にPERは使わないの?
・PER=1株純利益は、PBRと並び称される、株式投資における最重要指標。
企業が1年に稼ぐ純利益の何倍まで買われているか?PER5倍なら5年先、
10倍なら10倍先
・「株価爆発低位株」の概念において、さほど気にする必要はない。
◎「低PER」と「低位株」は両立しない
・PERはわかりやすすぎる故、市場が即座に反応してしまい買い遅れてしまいがち
・圧倒的な低PERの低位株は買うスキがない=探しても無駄
・よって低位株投資はPERではなく、「PBR重視の銘柄選び」をすべきであり、
PERはあまり使えない
◎PBR1倍割れの低位株が爆発する
・例えば、株価が200円以下なら314銘柄とかなり絞り込まれるので、
分母がすくなければ探す手間もそれだけで省けるというもの(単純にPBR1倍
割れ株は結構ある)
◎スクリーニングの手順
- まず、あなたが身銭を切ることのできる「上限投資金額」の設定を行う
- 「PBR1.0倍以下」でスクリーニングを行う
- 「株価の低い順」に表示を切り替える
- 「四季報5つのチェックポイント」(第5章で詳しく説明)を見て、買えるか否かを判断する。
・営業キャッシュフロー:「プラス」が必須
・自己資本比率:高いに越したことはないが一概には判断できない
・現金同等物:ひたすら多ければ多いほどよい
・営業利益:利益余剰金との合わせ技で判断
・利益余剰金:営業利益との合わせ技で判断
- 近いPBRで取捨選択を迫られた場合は、上昇時に、より高いパフォーマンスを得られる
「株価の安い銘柄」を優先する
- 心理的負担のない株価で「下限金額」を設定する
・値上がり時のパフォーマンス、1単位でも多く購入できるといった低位株投資の
メリットは多少損うが安心できる株価から始め、徐々により高いパフォーマンスを
得られるよう、下限価格を引き下げていく。
・この段階で候補銘柄があまりにも少ないのも、やりがいがない。自身でフォロー可能
な範囲で、5銘柄なり10銘柄なりお好みの数を抽出すればよい。
『四季報は5カ所だけ見ればいい!』
①「営業キャッシュフロー」 プラスが絶対条件
・企業が破綻する直接的な要因はただ1つ「キャッシュの流れが止まる時」
・キャッシュフローは大別して3つに分類(企業の金回り=キャッシュフロー)
・営業キャッシュフロー:営業活動によるもの
・投資キャッシュフロー:固定資産や有価証券の売買によるもの
・財務キャッシュフロー:金融機関からの資金調達、社債発行や増資により生じた
・株価爆発低位株投資では、営業キャッシュフローのみに着目し、ここがプラスなら
OKとする。
・フリーキャッシュフロー(営業+投資)がプラスならなおよい。
→マイナスだと危険という判断は早い。投資がマイナス化し、フリーがマイナスに
なることはよくある。
②「株主持分比率」 数字を鵜吞みにするな
・従来の株主資本比率のこと。(バランスシート)
・一般的にこの指数が高い程財務は優良である。
・低位株でもこの指数が高い銘柄はある。
・株券印刷会社になっている「やたら株主持分比率が高い万年赤字企業」には注意!
③「現金同等物」 キャッシュに勝る資産なし
・現金同等物とは、「現金・預金」と「3カ月以内の短期投資」を指す。
④「営業利益」 利益は利益でも「特別利益」に注目
・最終利益ではなく、営業利益を見る。
〇単発的な営業利益マイナスはOK
・「営業利益<経常利益>利益」は優良健全企業
・「営業利益>経常利益>利益」が低位株の一般的な図式。本業外の利益(株等)
を期待するのが間違い
・「営業利益がマイナス」の企業は基本的に×だが、一時的なマイナスならダメで
はない。
〇特別利益の悲劇
・「営業利益>経常利益<利益」の図式は特別利益の形状かあるかもしれないから
疑った方がいい。
・時折、驚異的な低PER銘柄があり、さらに低PBRだったら「至宝の低位株」と
いう前に確認する
→要注意は最終利益の中身。典型的なパターンとして「遊休資産の売却益」
・純利益だけで業績を判断するのは非常に危険
〇もう1つの特別経常利益
・極端な利益を計上するケースとして、もう1つ「債権放棄」もある。
→借金を全額、もしくは一部をチャラにすること。借金でクビが回らなくなった
企業をこのまま一撃必殺で破綻させるより、少しでも返済してもらい、事業を
継続してもらう方が得策とみなした場合の処置
・債権放棄金額は一括で特別利益として計上される。
⑤「利益余剰金」 マイナスであっても過激になるな
・利益余剰金:企業の創成期から脈々と受け継がれてきた利益の積み上げで、
潤沢=その株に黄金期があった
・低位株の中には、利益余剰金がマイナスの企業もあるが、利益余剰金はキャッシュ
とは限らない。
→低位株投資において優先すべきは過去の実績ではなく、今日のキャッシュ。
〇豊富な利益余剰金=優良体質
・利益余剰金はバランスシートにおける資本の部を潤すから、破綻リスクから一歩
遠のくことになる。
〇「利益余剰金」と「営業利益」の合わせ技で判断する。
①利益余剰金がプラスで、営業利益がプラス継続傾向
・堅実に着実に利益を重ね、余剰金を積み上げている。文句なし
②利益余剰金がマイナスで、営業利益がプラス継続傾向
・業績が振るわず赤字が続き、余剰金を食いつぶしてしまったものの、かつての
没落状態から這い上がった様子が見れる。
・たとえ利益余剰金がマイナスでも、足元の業績で利益が出ているのであれば
金回りに対して有効に作用しているので、ある意味安心と言える。
③利益余剰金がプラスで、営業利益がマイナス継続傾向
・過去の栄光の証である余剰金が、今日の衰退により食いつぶされつつある。
・足元の資金繰りに対しても多少不安材料が残り、このような銘柄は営業
キャッシュフローがマイナスに転落している可能性も高くなる。
④利益余剰金がマイナスで、営業利益がマイナス継続傾向
・深く考えずに「見送り」とし、近づかない方が無難。
〇復配寸前の低位株を狙え!
・低位株投資の観点からは、②の利益余剰金がマイナスで、営業利益がプラス継続
傾向を狙う。
・利益余剰金がプラス転換寸前の銘柄を発見したらぜひ投資候補に。
・有配企業よりも「復配しそうな無配企業」を優先する。
〇必見!株券印刷会社を見分ける10ヵ条
①上場先が東証一部以外である
・資金調達に苦慮する中小上場企業こそ、株券印刷会社に転身する為。
②万年赤字経営である。
・赤字が続く→バランスシートに累積赤字蓄積→財務状況が悪化→資金繰り悪化→
銀行が貸してくれない→必然的に株券印刷による資金調達に頼らざるを得ない。
③株主持分比率が非常に高い
・一番重要で簡単なチェック項目。
・「株式併合」「減資」で過去の株券大量印刷行為を隠減しようとするが、
隠し通せない。
・そもそも健全な経営をしていて株主持分比率が非常に高いんだったら低位株に
甘んじているわけがない。
④最低投資金額が安い
⑤企業規模の割に多角経営
・しかも相乗効果をもたらさない行き当たりばったりの業務提携&買収をひたすら
乱射している。
⑥IRがやたら過剰
・⑤による話題提供によって広く参加者=犠牲者を相場へと誘導しようとする。
・なぜか国内ではなく、あえて異国の地で行う胡散臭さムンムンのリゾート開発
などがその一例
⑦経営陣がコロコロ変わる
⑧株価は低迷でもネット掲示板は活状
⑨前社名と全くかすらない社名変更を頻繁に行う
⑩正直何やってる会社かわからない
・株券印刷会社の真骨頂は、株券を大量に発行することであり、他には何の拘りも
ポリシーもない。
『売買タイミングの見極め方』
〇チャートで「冬眠中の銘柄」を見極める
・低位株投資の極意は「いかに安値で仕込むか」これが命
・「株価の冬眠状態」は、買い手の需要と売り手の供給が合致した時点で発生する。
→安値圏のどこかで株価は動かなくなる。
・仕込みのタイミングは、日足チャートを見て「出来高が減少し株価が上下から抑え
つけられている状況」選ばれし銘柄であり、仕込むべき「株価爆発低位株」
〇買いは「指値注文」が大原則
・買値が安ければ安いほど、勝てる確率は上昇するから。
・損切りを余儀なくされる原因は唯一「近い将来、株価が買値を上回る可能性が
少なくなった」場合
→買値が企業価値に対して高すぎたことが原因
・目先の株価は企業価値とは関係なく、買い手と売り手の「単なる需給関係のブレ」
で変動するもの
・出来高が急増し株価も急騰している、といったチャートの上昇波に乗ろうとするか
ら溺死してしまう。
・「株価爆発低位株」投資において、仕込む銘柄に波は起きていない。
そして売るのは皆が騒いで買いだす「波が起きてから」
・過度の業績下方修正等が発表された場合は話が別。
→ただ低PBR株でこのようなことになったことはない。
・そもそも「期待されていない銘柄」は業績予想も極めて謙虚であり、よって過度な
下方修正を発表する可能性は低い。業績予想においてはほぼ最低ラインと判断。
・下値支持線=株価チャートで過去の安値を結んだ線のこと。株価がこの線に近づく
と反発するように上昇したりする等、この線が下落を食い止める壁の
ような役割をすることがあることから、下値を支持する線と呼ぶ
・損切りするとあなたの相場観が判断したいなら、迷いは無用。即日実行。
・全勝するのは不可能。1勝14敗でも勝ち越せるのが株の世界。くよくよせず明日
の株価爆発低株を探す
〇利益確定の売りは、買い手の立場に立って
・その売値はあなた自身が買ってもいい価格か?が判断基準
〇株価上昇パターン別の売り判断の出し方
①「見直し買い」で、緩やかに上昇しているケース
・周囲がバーゲンプライスに気づき、徐々に買われ株価上昇するケースが1番対処
が容易。
→動きがおっとりしているので安心。この緩やかな上昇をキープするなら最高
・売りタイミングだが、資金的に余裕があればそのままホールドし、さらなる上昇
に期待資金に余裕がない方は少しだけ売却するなど
②好材料の発表があったケース
・これが「株価爆発低位株」における最高のシチュエーション。
・売りの場合は、PBRではなくPERによる売値の算出が必要。
・まずは上方修正された純利益を基に1株益を算出し、そこからPERを計算。
・目標設定だが、「株価爆発低位株」において急騰時の株価が同業他社の
平均PER値に到達するケースは極めて稀。急騰の場合は、「適正株価」より、
「需給」が優先して株価は決まるもの。
・欲を欠かずに、少し控えめな目標設定で冷静沈着な売却を行う
③仕手化したケース
・業務提携や経営支援が発表され突如火柱が上がる。あるいは特にコレと言った
好材料が発表もないのに、企業価値とは無関係に株価の暴騰が発生する。
これが仕手化。低位株では時折見かける光景。
・このようなケースは「一旦売却すべき」
・対処法は、大証やジャスダックは8時、東証は8時20分から気配値を見ること
ができる。出来れば可能な限り、9時の取引開始前ギリギリまで気配値の確認
・その場合、「前日終値と大差ない気配値」であるなら、「前日終値より高めで
自身の納得のいく「指値」で売り注文を出す。」
・寄り前、「買い注文が殺到し、気配値がグングン上昇している」なら、
全て「成行」で売り注文。
1番買いエネルギーが集中しやすいタイミングこそ最高の売り時
(寄りを目がけた成り行き売り)